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今、この瞬間

広島に単身赴任中。仕事のついでに行った名所、名物やラーメン、映画、韓ドラなどを備忘録的に綴っています。
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北の土竜

「北の土竜」は石川サブロウ作。30年も前にヤングジャンプに連載された。

当時、薄っすらと記憶がある。

石川サブロウは岩内、アシスタントの本庄敬は寿都の出身。作品の所々に寿都が出てきて、寿都を知る者には懐かしい漫画である。

全21巻で今は絶版になっているが、アマゾンで探すと、中古本が売りに出ていた。

売価7000円。早速購入する(いつの日かプレミアムがついてお宝になるような気がする)。



漫画を読むのは久しぶり。

単行本のせいか、活字がやや小さい。老眼鏡がないと読めない。

14巻まで見終わって、次がイギリスでの壁画対決のクライマックス。

確かに寿都が端々に出てくる。

「寿都尻くそガニほいど 湯別夢見で小便たれた」

と、主人公がパリのバスルームで鼻歌代わりに歌う場面がある。

これは以前書いたことがあるが、その昔、朱太川にいるモクズガニを巡って、子供たちが争奪戦を繰り広げた時の口喧嘩の口上。

寿都の子供は欲張り(ほいど)で、カニを奪いに来る

湯別の子供は怖がりで夜に便所に行けず寝小便をたれる

そんな意味合い。それぞれの地区の子供たちが言い合い、挑発する。

湯別は朱太川のある地区。農村地帯で漁村の寿都より子供たちはおとなしかったようだ。

週末に読み終わりそうだが、これからの展開が楽しみである。


※読了感想

最終回で題名となった「北の土竜」に込めた意味が分かった。

寿都の漁師出身の若きライバル画家は、有島武郎の「生まれ出づる悩み」の主人公に重なる。







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後志の消滅可能性市町村

市町村の人口減少が関心を呼んでいる。

日本は本格的な人口減少時代を迎え、必然的に地方の人口が減る。

しかし、考えてみれば、地方のとくに過疎地と言われる地域の人口はこの50年常に減り続けてきた。

この間なくなったのは役場であって(市町村合併で)、地域がなくなったということはない(厳密にいえば、開拓地や小規模集落の中にはなくなったところもある)。

試しに北海道の後志地方の人口の移り変わりをみてみよう。

後志地方全体では昭和30年に39万人いたが、60年後の平成25年には22万人になった。減少率44%。

以下、市町村の推移(年代がないのは1967年)

小樽 20万6000人→12万7000人(減少率39%)
島牧 4600人→1700人(63%)
寿都 8700人→3300人(62%)
倶知安 1万9000人(昭和40年)→1万5000人(21%)
蘭越 1万2000人→5200人(43%)
岩内 2万8000人→1万4000人(50%)
余市 2万7000人→2万人(26%)
ニセコ 7100人→4700人(34%)
真狩 4600人→2100人(52%)
喜茂別 7400人→2400人(68%)
京極 6400人→3300人(49%)
積丹町 7300人→2400人(67%)
神恵内村 3200人→1000人(69%)
泊村 8900人(1960年)→1800人(80%)
共和町 1万4000人(1955年)→6400人(54%)

総じて、日本海側の町村の方が内陸部より人口減少が著しい。

比較的健闘しているのが倶知安やニセコ。余市も小樽より減少率が低い。

原発のある泊村は急激な人口減少ぶりだが、原発が立地された昭和60年代以降の減少率はかなり緩やか。


この調子で行くと、50年後には確実に人の頭数は減っているが、ゼロではない。つまり、消滅しない。


人口の増えた減ったで、そのまちの豊かさを測るのは間違えている。

50年前に比べれば、交通手段も医療も食生活も改善され、役場の応対も丁寧になった。

外国旅行にも行き、当時はなかったインターネットの利便性を手に入れた。

ずっと住みやすく、豊かになったのである。


とはいえ、子供の数が減り、年寄りが増えて、活気がないような感じがする。コミュニティに力がない。

しかし、それが悲観的な未来を映し出しているとは思わない。

人のちからによって、いかようにでもなるような気がする。

人口減少社会を悲観する必要はないし、移民を入れよと騒ぐ必要もなかろう。

身丈に合った生き方をしていけばよい。













「寿都五十話」が快挙

北海道寿都町の埋れた歴史を掘り起こした「寿都五十話~ニシン・鉄道・鉱山そして人々の記憶」が、第17回日本自費出版大賞の地域文化部門賞を受賞した。



これは快挙。めでたいことです。

著者の山本竜也さんは元寿都測候所の職員。寿都町役場の郷土史や統計、昔の新聞、年配者の証言、実地調査を駆使して、かつてニシンに沸いた寿都の歴史を現代に蘇らせた。

郷土史というと、年配の人を連想するが、まだ40歳代と若い。いまは函館在住。

この本は自身のホームページ「南後志をたずねて」を元にしており、本が手に入らない人は、こちらで内容が読める。

受賞の詳しい情報はこちら。

http://homepage3.nifty.com/minami-siribesi/contents/osirase.htm

無名の町のかつての賑わいを描いた労作が陽の目を見て、まことにうれしいの一言です。