「北の国から」の有名なシーンに「子供がまだ食ってる途中でしょうが」と、黒板五郎こと田中邦衛が叫ぶ場面がある。
(田中邦衛はまだ存命。死んだのは地井武男で、弔辞を読んだのが田中邦衛。念のため)
富良野にはこのせりふをそのままネーミングしたラーメンがあり、人気なのだという。
このシーンは最初の特番ドラマのラストシーンに出てくる。興味がある人はYouTubeでどうぞ。セリフのまま検索。
閉店間際に五郎一家がラーメン屋に入り、ラーメンを三杯注文する。純はある事があって食べることができない。客は誰もいない。閉店時間をとうに過ぎて店内の明かりが暗くなる。
女の店員が早くしてくれと何度か催促に来るが、純はやはり箸をつけない。蛍はお兄ちゃん、ラーメン食べようと気をもむ。
しびれを切らした店員がラーメン代を請求し五郎が1500円を払うと、ラーメンどんぶりを片付けようとする。それを五郎が取り返そうとして、この有名なセリフが飛び出す。
ラーメンどんぶりは弾みで床に落ちてしまう。割れたかけらを五郎と純と蛍が涙を堪えて片付けるところで、例のさだまさしの歌が入る(泣けるなあ)
この場面だけでは何のことだかわからないが、実はラーメン屋にたどり着く末でに重大な事件が起きていた。
五郎が汗水流して自力で建てた丸太の家が火事で消失したのである。
火事は実は純のいたずらによって起きたのだが、純は怖くて名乗り出ることができない。友達の正吉が罪をかぶる形で富良野を出て行く。
純がようやく罪を告白するのがラーメン屋のシーン。ことは深刻で、ラーメンを食べるどころじゃないのである。ポソリポソリ純はしゃべりだす。
最後にアップになる割れたどんぶりは、
純の傷ついた心であり、それを3人で拾う姿は、痛みを乗り越えて成長せよというメッセージかもしれない。
この純君はその後、社会の最下層のような場所で、数々傷つきながら大人になっていく。
痛みに寄り添いながらも、彼の不器用で純粋な生き方が時に周囲には迷惑でしかないという視点も織り交ぜるところに、倉本聰の視野の広さがうかがえる。
この後、純は上京して、もっと苦しい経験をすることになるのだが。
さて、来週は北海道に行きます。
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Comment
ブログ、素敵な壁紙になりましたね♪
おされです。